陽炎の。

a0002458_14461860.jpg陽炎の。
藤沢 周 (著)

この本は表題作「陽炎の。」を含め、「海で何をしていた?」「砂と光」「事情聴衆」の4作品からなる。全てに共通しているのは世界観がなんだか暗い。景気が悪い感じ。
①「陽炎の。」は呉服屋に勤めていた主人公が職安に通いながらいろいろと思いをめぐらす。
②「海で何をしていた?」は死んだはずの父が最近現れるという話。それとともに思春期の頃の自分を思い出す。よく海に行ってあ~してたなって。これは自伝的な作品。文章なんて書いたことが無かった主人公が文章を書き始めるまでの出来事。
③「砂と光」も明らかに自伝だ。子供の頃の出来事を書いている。良くわからない(汗)。
④「事情聴衆」は良くわからないがいつのまにか失踪していて、浮浪者になっていた主人公の話。どうしてこんなことになっているんだっけ?と思い出していく。かなり壊れていて錯乱している様子を文章で表現する。4つの中では一番好きかな。「七味唐辛子があれば私はたいていのものは食える。」という出だしからして好き。
藤沢周さんは私のふるさとの隣町出身。②~④は新潟弁の会話が出てくる。③なんてかなり丸出しでみんなわかるのかな。って感じ。新潟弁に興味を持った人は「デカスロン」でも読んでください。②③はかなりローカルな地名も出てきて私のふるさとも登場する。内容はどうあれノスタルジーだけで許してしまう作品です。。。ただ、「町に流れるミルクコーヒー色の新川を、、、」という一節があるのですが、うそです。そんなに汚くはありません。それから、表紙の写真(文春文庫版は違う装丁)、うちのふるさと周辺はもっと細かい砂の浜ですから!!
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by ikumuw | 2005-09-07 14:46 | books | Comments(0)


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