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みみずくの夜メール

みみずくの夜メール_a0002458_11162337.jpgみみずくの夜メール
五木 寛之 (著)

地方にはご当地ソングなるものがある。仙台ならば「青葉城恋唱」。先日、金沢に行ったときに金沢のご当地ソングの話になった。最近、地元歌手が歌う「浅野川恋歌」が流行りつつあるらしい。その歌を作詞したのが五木寛之氏。そういえば本屋さんに作家生活40周年記念のコーナーができていたな。ということで本書を手に取りました。

本書は2002年から3年間に渡る朝日新聞の連載をまとめたもの。みみずくの夜メールというのは五木氏が生来の夜型で夜に仕事をしていることから。新聞のエッセイということでひとつひとつの分量は多くはない。文庫本で4ページほど。こうなったらいきなり本論に入るのが定石ではあるが、どの話も寄り道をしてから本論に入る。これほどの大作家となると何でもあり、全くお構いなし。実際、その寄り道も本論のスパイスとして働いていて上手いと思わせる。巻末の解説によると、一見関係なさそうな話の中にも実は隠喩を含んでいて深い意味があったりするらしい。お気楽な感じで書かれていますが、実は深い。本書は2度読むと違った味わいが出るかもしれない。

解説で「かもめのジョナサン」の訳者だったことを知り、また驚きました。
by ikumuw | 2006-03-14 11:16 | books


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