反秀才論柘植俊一
筑波大学の教授だった柘植先生による反秀才に関するエッセイ集。原文は学会誌や雑誌に掲載されたもので,専門的な内容を含んでいたり,一般的なものだったり,いろいろです。
反秀才とは,知的好奇心が理性を上回るタイプの秀才のことらしく,頭が良いのではなく,強いらしいです。その理論ですから,どういった人が反秀才なのか,大学教授的にどのように反秀才を発掘すれば良いかといったことが書かれています。
柘植先生は流体力学を専門としていて,筑波大学の前にNASAのAIMES研究所で働いていました。世界の英知が集結する海外の研究所で働いた経験に基づいた内容になっています。AIMES研究所の反秀才や超秀才たち,海外における日本人のアイデンティティ,日本の大学教育や大学のシステムに関して,など,,,柘植先生は柔道家だったこともあり,柔道話もよく登場します。日本で宗教に相当するものは,武士道だと言って,武士の原点"吾妻鏡"を引用します。途中で紹介されている断食で不治の病を治す方法は興味深かったです。
私は専門も境遇も遠からじということで,非常に勉強になりました。また,楽しめました。普通の人向けな内容ではないような気はしますが,ピンと来た人にはオススメな一冊です。