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臆病者のための株入門

a0002458_18251618.jpg臆病者のための株入門
橘 玲

昔、株の勉強をして投資をやっていて、今は作家に転進した著者がジェイコム男やホリエモンがどうしても受けることができたかを解説しながら、経済理論に裏付けられた一般人にとって最も効果的な投資法を紹介する。

前半は概略で、株式投資は誰がなんと言おうとギャンブルだから負けることもあれば勝つこともある。そこで、いかに負けないようにするためにはどうしたら良いか?ということで中盤は経済学的に正しい投資法を紹介。最後は投資方法にはトレーディング、個別株長期投資、インデックス投資の三つに分類されているのですが、具体的にはそれらをどうするのがオススメか。そして、そのパフォーマンスは?ということを素人むけのトーシロ投資法として紹介しています。

株の本は難しくてなかなか最後まで読めないことが多かったのですが、これはとても読みやすく、簡単に書かれているのでわかりやすいです。もちろん、突っ込んだ話をするにはこれだけでは不測でしょうけれど、きちんとそのために参考文献が紹介されているのも良いです。一度、読んでみる価値があると思います。
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by ikumuw | 2006-08-31 18:25 | books | Comments(2)

イカルス・ガール

a0002458_9423682.jpgイカルス・ガール
ヘレン・オイェイェミ(著)
金原瑞人・ふなとよし子(翻訳)

ハリーポッターの出版社が破格の値段で版権を買ったというオカルト小説です。映画化でもするつもりか!?

主人公ジェシーはナイジェリア人の母とイギリス人の父の間に生まれたハーフ。母は作家(著者もナイジェリア人)。あるとき、両親と母のふるさとへ行き、ジェシーはそこでティティオラという名の幽霊に合う。ジェシーはティティオラが幽霊と気づかずに友達になる。そして、帰国。ジェシーはあまり友達がおらず、寂しくしているとティティオラが再び目の前に現れる。しかし、自分しか見ることができない。ティティオラは何でも知っていて何でもできる。ジェシーは双子で生まれたんだと教え、自分がお姉さんの代わりになってあげると言う。そして、その奇妙な友達はいつしかジェシーの周りに危害を加え始める。ジェシーを叱った学校の先生やお父さんを鬱にしたり、親友との仲を引き裂こうとしたあげく、ティティオラの存在に気づいたその友達を大怪我させたり。。。そして、誕生日にナイジェリアへ再び向ったその場でティティオラはジェシーの魂を別の世界へ追いやって、ジェシーと入れ替わる。ナイジェリアのあの世でジェシーは本当のお姉さんに会い、そして、、、

最後は作った感じなのですが、中盤は心霊体験がリアルに描写されていてちょっと気持ち悪いです。終わりはそれで終わりじゃないだろと思うんですがどうなったのかな。

アフリカ人と英国人のハーフということでどちらの国にも居場所が無いジェシーと現世に居場所が無いティティオラが引き合ってしまったということでしょうか。ティティオラも双子だったということもありますし、ジェシーの母親が宗教を毛嫌いしていてずっと神に祈りをささげていないこともあります。そんな母親だから娘や旦那の様子が変でも悩みがあるせいだと思う。そして悪循環どんどんジェシーの状況は悪化。その辺も何だか怖い。

ところで、タイトルのイカルス・ガールって何のこと?
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by ikumuw | 2006-08-29 09:43 | books | Comments(0)

ポケット詩集

a0002458_1473749.jpgポケット詩集
田中 和雄

宮沢賢治、茨木のり子、まど・みちる、、、素敵な詩がたくさん詰まった文庫です。声に出して読みたくなる詩ばかりです。文庫といえどもハードカバーでなかなか装丁も素敵。すべての漢字にふりがなが振られているので子供にも読めます。昔の少年は詩をよく読んだものらしいですよ。どうやらこのシリーズは3冊でているようですね。興味津々。

茨木のり子さんの詩を一編、引用します。


自分の感受性くらい  茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

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by ikumuw | 2006-08-20 14:07 | books | Comments(0)

「イギリス病」のすすめ

a0002458_20254454.jpg「イギリス病」のすすめ
田中 芳樹、土屋 守

イギリスをテーマとした二人の作家とインタビューアの3人の対談集。

栄華を極めた大英帝国が徐々に落ちぶれて現在に至り、サッチャー政権でやや勢いを回復。そんな歴史を持つ英国。なんと見事な落ちぶれぶり。それがイギリス病。日本もバブル崩壊後、こんな風にゆっくりうまく落ちぶれていけば良かったんだという主張。最後の方は特に話を収束させるためにそういったことを強く書かれているのですが、ま~その辺は流し読みをすれば良いです。メインなのは英国がどんな国なのかということを二人の英国滞在経験を元に話されていること。私が英国に聞いてこちらの日本人に聞いたことがほぼ網羅されています。言いたい放題。渡英前に読むと良いでしょう。

本文とは関係なあくあとがきが良かった。やっぱり作家ですから対談集よりも文章を書いた方がね~。
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by ikumuw | 2006-08-19 20:25 | books | Comments(0)

寺田寅彦随筆集第二巻

a0002458_66312.jpg寺田寅彦随筆集第二巻
寺田 寅彦 (著), 小宮 豊隆 (編)

地球物理学者の寺田寅彦先生の随筆集の岩波文庫第二巻です。

「蓄音機」や「映画時代」は幼い頃はなかった蓄音機や映画が発明されて、どのように自分の生活に入ってきているかを述べ、これが社会にどう影響するのかと考察しています。広く解釈すれば新しいテクノロジーによる大衆娯楽に関するエッセイ。

「亮の追憶」は仲良しだった甥の一周忌に彼との思い出をつづったもの。亮は他のエッセイにも登場することがあります。

「一つの思考実験」はもし、日刊新聞がこの良からなくなったらというシミュレーション。寺田先生は新聞がお嫌いのようです。最低でも週刊で十分でしょうというようなことを言っていますが、他に情報メディアがなかった昔の時代では日刊新聞は必要でしょう。。。

「電車の混雑について」は混雑していない電車に乗るためにはどうしたらよいかという動機から電車の混雑状況を統計的に処理し、考察しています。理論展開は微妙な気がしますが、現代でも成り立つかな。。。

「相対性原理側面観」はアインシュタインのことなどが書かれているのですが、相対性理論を理解できる人は当時数少なかったわけですが、理解という概念も微妙で、後世、さらに先を行く研究者からみたらアインシュタイン自身も理解していたと言えるだろうか。という感じ。

「子猫」は飼い猫の話。他のエッセイでも猫の話はたくさんあります。ここでは、飼っている猫を観察しているとそれぞれ性格があり、それは生まれつきなのか、小さい頃の環境なのかということを考えています。

「二十四年前」は寺田先生が学生だったときにケーベルという音楽家に自己流で練習していたヴァイオリンを教えてほしいと押しかけた話。そして、そんな安物のヴァイオリンで良い音は出ないと笑われる。。。

「解かれた象」は長年鎖で拘束されていた象が動物園を引越したことを機に鎖から開放されたことが気持ちよいという話。その象は昔、人間に乱暴を働いたというが、本来乱暴を振るう正確だったのだろうか、それとも。。。と思いをめぐらす。

「伊吹山の句について」は芭蕉の俳句にある雪がよく降る伊吹山について、地球物理学的に考察をする。といってもそれほど専門的で高度なことを言っているわけではありません。

「路傍の草」「備忘録」「LIBER STUDIORUM」「時事雑感」は短編集で日記のような感じ。日々の生活で感じたことをつれづれなるままに書いています。

「怪異考」「化け物の進化」は未知のものを科学者としてどう認識するか、そういったものを物理学者として考察してみるというものです。昔は未知のものはすべて化け物と言ってきたが科学によって解明されてくると化け物ではなくなる。それはそれでさびしいな。という感じ。

「日本楽器の名称」「比較言語学における統計的研究法の可能性について」は楽器の名前や言語の類似性などから日本と大陸、はるかかなたヨーロッパまでの文化が実はつながっていると考えられるかもしれないという考察。

「ルクレチウスと科学」は昔々ルクレチウスという哲学者がいて、彼の科学的な考察はすばらしく、現代の科学の大部分を予測していると延々と語っています。それはすごいことは認めますが、ちょっとヒイキ目に解釈してませんか?

それにしても、いろんなことを考えるものです。随筆集はまだまだあるんですよね。。。もちろん、青空文庫で全部読めます。
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by ikumuw | 2006-08-16 06:06 | books | Comments(0)

National Museum Cardiff

a0002458_335096.jpgNational Museum Cardiff

Walesの首都Cardiffにある国立博物館へ行ってきました。この博物館は歴史、産業、環境とWalesのあらゆるものが展示されているばかりか、美術館も併設されています。大英博物館ほどではないでしょうが展示物も充実しています。そんな国立博物館も英国では無料。すばらしいですね。

今回は時間の都合で美術館の絵画を中心にその一部のみをのぞいてきました。モネにルノアールにセザンヌにゴッホに、、、と巨匠の絵がたくさんありました。なんでも資産家の姉妹が集めていたコレクションを代継が途絶えたため、国に寄付したのだとか。

博物館好きなのでこの先何度か訪れると思います。
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by ikumuw | 2006-08-12 03:03 | sightseeing | Comments(0)

V for Vendetta

a0002458_1013691.jpgV for Vendetta

国際線の中で見た映画です。これはメジャー作品かな。原作はコミックらしいです。

舞台は第三次世界大戦後のイギリス。国の秩序は独裁政権とコンピューターシステムによって管理されている。ある日、貧困のために身を売ろうとした女性Eveyは秘密警察に見つかってしまう。しかし、そこへVと名乗る仮面の男が現れ、彼女を救う。Vはテロリストで公的な建物の破壊や要人の暗殺を繰り返している。ある日、Vから追い出されたEveyは秘密警察に見つかり、拷問を受ける。独房で見つけた手記に勇気付けられながら、拷問に耐える。そして、政府への協力を拒否した瞬間、拷問から開放される。実はその拷問はVによるもので彼女の精神を鍛えようと行ったものだった。Vの破壊や暗殺はますますエスカレートし、ついには政府のリーダーを暗殺する。しかし、その後、銃弾に撃たれ、Eveyの腕の中で絶命する。そして、彼の遺体は爆薬を積んだ電車とともに乗せられ、最後の爆破とともに散る。同時にクーデターが起こり、政府は倒れる。。。結局のところ、大戦中の人体実験の生き残りがVでおそらく手記の持ち主であろうという話。

ちょっと見ていて世界観がわからないところがあったのですが、その辺は原作と映画のギャップなんじゃないかと思います。予備知識を持って見た方がわかるんじゃないかな。V役の俳優は一度も顔を見せずにかわいそうですな。

英国では11月5日に火薬陰謀事件の首謀者Guido FawkesにちなんでGuido Fawkes Nightという花火の祭りが行われるのですが、この話、Guido Fawkesの影響を受けている気がする。そして、ロンドン同時爆破テロの影響で公開日が延期になったらしい。そういう目で見るとかなり過激。
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by ikumuw | 2006-08-05 10:22 | movie | Comments(2)

数埋数置数読

数埋数置数読

世界中で大ブームのsudoku(数読)を楽しめるフリーソフトです。日本ではナンバークロスパズル(ナンクロ)とかナンバープレイス(ナンプレ)とかいうと思いますが、英国でも米国でもsudokuです。

ルールはボックスと行・列に同じ自然数が入らないように空欄を埋めていくのですが、詳しくはほかのサイト(たとえばここ)を参考にしてください。

このソフトは標準では9×9のパズルで、難易度を1~5まで変えることができます。一応、
 1,2:解ける 3:時間がかかるが解ける 4:解けたり解けなかったり 5:面倒なのでやらない
といった感じです。16×16もできると思います。成せば成ると思いますがこんなことに時間をかけてもねぇ。。。頭の体操にどうぞ。
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by ikumuw | 2006-08-04 07:45 | software | Comments(2)

小さき者へ

a0002458_826610.jpg小さき者へ (文庫)
重松 清

サンデー毎日に連載されていたものを改稿した短編集です。どの話にも子供が出てきて、大人と子供の間にあるギャップが中心のお話たち。子供の問題に精通する重松さんらしい内容です。

『海まで』では家族で父親の実家へ帰省する。子供は2人兄弟。弟が生まれてからというもの実家の祖母は弟ばかりをあからさまにかわいがる。おまけに、兄とは違って弟もアピールがうまい。そんな祖母と夫婦と兄弟のやり取り。

『フイッチのイッチ』は主人公のクラスへ女の子が転校してやってくる。主人公も彼女の家も両親が離婚して母子家庭。そんな二人のやり取りと彼らから見た両親が描かれている。

文庫のタイトルになっている『小さき者へ』。息子が学校でいじめられたことがきっかけで、不良に転身。家でも学校でも荒れる。父親は相手にされない。そこで、毎晩息子へ手紙を書く。息子へは渡す踏ん切りがつかないのだが書き続ける。現在の家族の状況、自分が子供のころのこと。痛々しい話です。

『団旗はためくもとに』の父親は元応援団長。非常に硬派。しかし、娘には弱い。ある日、娘が高校をやめると言い出す。当然、父親は反対。そして、長い親子喧嘩になる。。。父親は今でもストレスがたまるとかわらに行って応援歌を歌ったり、歓送迎会ではエールをきったり。コミカルに描かれています。好き。

『青あざのトナカイ』は脱サラをして配達ピザ屋を始めたが1年半で経営不振で店をたたんでしまった父親が一人になりたいと妻と子供を妻の実家へ行かせ、浮いたり沈んだりしながら、立ち直っていく話です。

『三月行進曲』は少年野球の監督をやっているサラリーマンが家族に愚痴を言われながら、それぞれ少々問題のあるチームの卒業生3人を甲子園へ連れて行く話です。「もしも、、、」ということを常に考えてしまう大人の世界。子供がかけてほしい言葉と大人が言ってしまう言葉のギャップ。など、いくつかメッセージがちりばめられているように思いました。

暗い問題をたぶんに含んでいるし、ハッピーエンドとは限らないのだけれど(エンドがない?!)、ケースステディとしてありえる答えが示されているせいか、すっきりとした読後感です。どの話も登場人物、特に子供が生き生きと描かれていることが好印象です。
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by ikumuw | 2006-08-03 08:25 | books | Comments(2)