ノーベル賞受賞者 山中先生と益川先生の対談を収録した本です。タイトルの大発見の思考法が書かれているかどうかは怪しいところですが,双方の科学に対する考え方がよくわかる一冊です。私も科学者なので感覚的には近い感じがしました。まあ私の分野でノーベル賞をもらえることはないと思いますが。。。ともかく私も新しい発見をしたときの興奮を味わいたい。 特に米国でポスドクをしていた山中先生の国際学術コミュニティとの付き合い方は参考になりました。なかなか同じようにできないことは目に見えていますが努力します。 <備忘録> ・研究に関する情報量・スピードがあまりに増加し,一人で全てをカバーすることは不可能になっている → 分業化・組織作りが大事 ・坂田昌一先生(名古屋大学の益川先生,小林先生の師)のことば 「最良の組織と最良の哲学があれば凡人でもいい仕事ができる」 「研究は一人の天才によって行われるものではなく,組織的に行われるものだ」 ・益川先生の座右の銘:眼高手低 "目は肥えているが技能や能力は低いこと" → "目標は高く持ち,行動は着実に"と解釈 ■
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by ikumuw
| 2014-11-20 05:01
| books
ゲームクリエーターによる孫子の兵法の訳本。原文の翻訳に解説を追加したもの。翻訳はわかりやすく,原著の内容をよく理解できた。古来より生き残っている兵法書だけあって,普遍的な内容が書かれている。解説は現代ビジネスでの例示が中心なのだが,その例が的確かどうかは怪しく蛇足の部分が多いと思う。この辺は解説に徹して短くした方が良かったと思う。 ■
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by ikumuw
| 2014-11-15 20:06
| books
なかなか内容のある本でした。本質的に答えを出すべき問題を見極めることからはじめ,アウトプットを効率的に出す方法を解説しています。著者が科学者(兼業?)という点も考え方が近いのかもしれません。 覚書 ・「考える」と「悩む」はちがう ・労働者は時間ベースで仕事をするが,プロフェッショナルはアウトプットベースで仕事をする ・ビジュアル思考型の人は言葉に落とすことを心がける ・よいイシューの3条件:「本質的な選択肢である」「深い仮説がある」「答えを出せる」 ・優れたチャートの3条件:「1チャート1メッセージを徹底する」「タテとヨコの比較軸を磨く」「メッセージと分析表現を揃える」 ・自分の技となっている手法の豊かさが大事 ■
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by ikumuw
| 2014-10-29 00:33
| books
Starnford UniversityのProf. Kelly McGonigalの講義内容をまとめた"The Willpower Instinct: How Self-Control Works, Why It Matters, and What You Can Do To Get More of It"の日本語訳本です。この講義は自己コントロールに関するもので,キーワードは意志力です。意志力というのは本書によると「やる力」「やらない力」「望む力」の三種類あるとのこと。意志力は疲労もするがトレーニングも可能で,道徳的な善し悪しよりも,目標や価値観をしっかり見つめることが大事とのこと。また,他者の影響を受けやすく感染しやすいので注意。思考,感情,欲求を押さえつけようとすると逆効果である。といったことを解説しています。まあ特別なことが書かれているわけではなく,本書を手にする人にはそれくらいわかっているという人が多いかもしれません。読むべき人は読まないというのがこういった本の常です。でも,これを大学の講義としてやっているとしたらすごいことです。 日本でも教養課程であったら良いかも。本書の内容が科学的というのだが,どうだろう。私のイメージでは科学といえるのか怪しげ。社会科学とはそういうものか。。。 以下,メモ帳 ・できない理由を特定する ・選択した瞬間を振り返る ・ストレスで自制心が落ちる ・なぜを考えれば姿勢が変わる ・明日も同じ行動をすると考える ・心を動かすものの正体を暴く ・やる力とドーパミンを結びつける ・根拠のある方法を実行する ・失敗した自分を許す ・逃げ道をなくす ・将来の自分の姿を想像する ・感染源を発見する ・努力することを普通にする ・意志力の免疫システムを強化する ・お手本にしたい人のことを思い浮かべる ■
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by ikumuw
| 2014-09-19 22:34
| books
統計学が何に使えるか,現代においてなぜ重要なのかが事例を紹介することで解説されています。雑振の特集に加筆したものということで内容は深くは無く,浅く広い感じで,本書で統計学自体が学べるわけではありません。私にとっては特に新しい情報は無かった。 データが氾濫しているデジタル・インターネット時代において,そのビックデータから有用な情報を抽出し,日常生活や学術的分析に役立てることは今後ますます重要で,ビジネスとしてのチャンスも無数に存在すると思います。ここで統計学の役割が大きいのは間違いありません。普段統計学から遠い人ほど,本書でツールとしての統計学に触れてみる価値があると思います。 ■
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by ikumuw
| 2013-11-17 00:52
| books
図書館で息子が選んできた絵本の中に含まれていた一冊です。ボブ・ディラン原作ということで見てみたら感動的な作品でした。 ボブ・ディランのForever youngという名曲を基に作成された絵本で,英語版はボブ・ディランの歌詞に忠実なようですが,日本語版は詩人でもある翻訳者の言葉でつづられています。これがすばらしく感動的。絵もかわいらしくかなり気に入りました。ここにも作家なりのマニアックな工夫がされています。まさに作品として昇華されおり,作者たちのこの曲に対する愛情が感じられます。子供だけでなく大人向けの絵本としてもプレゼントに良いと思います。 ネットで検索したらボブ・ディランの歌にあわせて動画も作成されていました。 ■
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by ikumuw
| 2013-08-24 18:06
| books
大きな塩の結晶が宇宙から飛来。その後,人間が塩になって消えてしまう奇病が都市部を中心に世界中で発生。世界が終わりに近づく中,東京で元自衛官と女子高校生が出会い,,, 人が塩化する奇病に対して,立ち向かうSF小説です。愛が主題で,"世界を救うためでなく,大事な人を守るためになら人は命をかけることができる"というもの。科学者の立場から考えると塩化なんて,奇病は思いつかないところですが,ファンタジーとしてはそういうものも,アリでしょう。本編と後日談の付録で構成されていて,本編はテンポのよいストーリー展開で一気に読めました。後日談はもう少し短くて良いと思いました。今や人気作家となった著者のデビュー作ということで,確かになんとなく初々しさが漂っています。 ■
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by ikumuw
| 2013-06-14 22:07
| books
豊臣家の末裔が生き延びていて,大阪の民衆が大阪城の地下に拠点を置く大阪国を秘密裏に運営し,その末裔を守り続けている。あるとき,会計検査院の調査が大阪国の関連会社に入り。。。というストーリー。 会計検査院と末裔を中心とした大阪国の二つの話が進んで行き,徐々に絡み合っていく構成です。前半は特にスピード感があまりなく,間延びする感じ。大阪の地名がよく出てくるので,大阪の人は楽しめるんじゃないかな。大阪出身の著者のノスタルジーが感じられます。 映画化もされたようですが,主要人物の性別が違うので,内容もだいぶ変更になっているかも。 ■
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by ikumuw
| 2013-05-31 23:10
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製品の性能を高度化するために技術を磨くだけでは売り上げ向上に繋がらない,新しい文化を発明し,新しい市場を開拓することが必要という内容でした。市場・商品が成熟してくると,性能がニーズに対して過剰になったり,コスト競争くらいしか技術開発の方向性が無くなったりしてきます。そんなとき,新しい市場を開拓し,新しい価値を作り出すことが,肝要となります。読みやすい文章で事例も多く紹介されていて,多くの気づきがありました。 私は工学分野の研究者なので,科学技術研究を推進する立場にありますが,産業展開に関しては,技術の新しい使い方を提案することもひとつの方法であると思いました。これはひとつの大きなパラダイムシフトです。各業界は固有の思考方法があるので,異分野から参入している私だから思いつくこともあるのではないかと思います。今後の仕事の方向性を考えさせられました。科学技術立国を目指す日本として,不可欠な視点かもしれません。 ■
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by ikumuw
| 2013-02-23 22:32
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三谷幸喜による歴史ドラマ台本。 信長の後継者を決めるための清洲会議。本能寺の変により信長が死に,秀吉が天下人へ近づく出来事が,現代語訳でつづられています。主要人物各自の視点からまるでドラマの台本のような形で書かれていて,なかなかユニークな構成の本です。映画化されるようですね。原著にかなり忠実な映画ができあがることでしょう。 ■
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by ikumuw
| 2013-02-19 00:01
| books
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